イドゥル・フィットリのお休みが終わって
先週、インドネシアはイドゥル・フィットリの長期休暇でした。
イドゥル・フィットリとは、イスラム教のお祭りで「断食明け大祭」のことです。
ご承知の方も多いと思いますが、イスラム教ではイスラム暦第9の月(ラマダーン)に断食を行います。断食の期間は30日間。その間は断食をするんですが、ず〜っと何も食べないわけではなく、日没後は飲食しても問題ありません。しかし、日中は食べることも、飲むことも、自分のつばを飲み込むこともできないのです。
そして、このラマダーンの月が明けた、日がイドゥル・フィットリというお祭りの日になります。日本で言うと、お正月とお盆を足したような日です。
このラマダーン明けの日、人々は故郷に帰り、家族や親せき、友人とお祝いを行います。
そのため、イスラム圏の官公庁、会社、学校は1週間から10日間のお休みに入り、帰省をしたり、旅行に出かけます。
バリ島は、住民の大半がヒンドゥー教なので、あまりイドゥル・フィットリのお祭りは関係ありません。
しかし、南部エリアには、ジャワ島やロンボク島などイスラム圏からきている人も多いく、田舎に帰る人もたくさんいます。
さすがに、ホテルやレストランが閉店するということはありませんが、カキリマ(屋台)やワルン(大衆食堂)などローカル向けのお店の中には閉店するお店も多数あります。
このイドゥル・フィットリ―の時期、イスラム圏は長期休みになるので、国内旅行をする人がたくさんいます。特にバリ島はジャワやロンボクなどからフェリーを使って遊びに来ることができる、手軽な観光地のため、大変多くの国内旅行者が訪れます。
そのため、バリ島内の手ごろな価格のホテルやレストランは予約でいっぱいになり、道路も車が増え慢性的な渋滞がよりひどくなります。
今年のイドゥルフィットリの長期休暇は、8月29日から9月4日まででした。
ウブドにも多くの国内旅行者が訪れ、慢性的な渋滞により拍車がかかりました。
ウブドエリアで、込み合うのは、
☆ベベ・ブンギル前
ベベ・ブンギルは先日も、インドネシア大統領が訪れたほど、ウブドで最も有名なレストランです。クリスピー・ダックという料理が有名で、ジャカルタにも支店があるため、ここを訪れる旅行者も多く、常にお店の前は車で大混雑です
☆イブオカ
バビグリンというブタの丸焼料理で有名なワルンです。イスラム教徒は、豚料理は食べませんが、ジャワ島などに住む中華系の方が、こちらの豚料理を食べに押しかけます
☆王宮前交差点
ラヤウブド通りとモンキーフォレスト通りが交わる王宮前交差点は、信号がない交差点なので、常に込み合っています。特にこの長期休暇中は、たくさんの車が集中し、渋滞の中心地となっていました。
☆ヌーリーズ・ワルン
ヌーリーズ・ワルンは、スペアリブで有名なお店です。周りには何件もスペアリブを出すお店がありますが、なぜか観光客はここに集中します。すぐ近くに2号店もありますが、1号店、2号店とも、中華系の観光客でいっぱいでした。
また、お店には駐車場がないので、お店の前の道路には路上駐車の車が、延々と続いていました。
ウブドエリアで込み合うのは、おおむね以上4か所ですが、もともと道が狭く、駐車場がないウブドエリアですので、上記4か所を中心に、渋滞の列が伸びていました。
さらに、バリ島以外の島から来た旅行者が運転する車は道に不案内のため、ノロノロと走ってみたり、道路の真ん中で泊まってみたりと、交通の妨げになります。
渋滞の最前列を見たら、LナンバーやBナンバーの車(バリ島の車はすべてDKから始まるナンバー、つまりDK以外のナンバーはバリ島以外の土地から来た車なのです)と言うことも、ありました。
このイドゥル・フィットリの時期は、渋滞、混雑が酷いので、出来る限りこの時期のバリ島旅行は避けた方がいいですね。
さて、このイドゥル・フィットリの時期ですが、今年は8月末〜9月上旬にかけてでした。
イスラムの暦(ヒジュラ暦)は、月の満ち欠けを基にした太陰暦で、閏年がないので西暦より10日〜11日短くなります。
そのため、来年のイドゥル・フィットリは8月中旬〜下旬となります。つまり、日本のお盆休みと重なってしまいます。
来年のお盆休みにバリ島旅行を考えられている方、くれぐれもご注意くださいね