バリ島ウブド便り

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インドネシア、ラマダーン(断食月)に突入ですっ!

インドネシア宗教省から「今年のラマダーンは7月10日から」という発表がありました〜!
ラマダーンと言えば、断食!イスラム教の方にとって大変な一か月が始まったという事です。
バリ島は、島民の90%がヒンドゥー教徒ですから直接ラマダーンは関係ありませんが、島内にはイスラム教の人も住んでいますし、なんたって国民の70%以上がイスラム教という国ですから、無関係ってわけにはいきません。


で、今回は日本の方にはちょっとなじみが薄い(でも、聞いたことはある)ラマダーンについてお話しますっ!!


さて、ラマダーンといえば、断食つまり「ラマダーン=断食」と思われている方が多いと思いますが、実はこれは間違い。
ラマダーンとは、イスラム暦(ヒジュラ暦)の月の名前の一つなんです。
ただ、このラマダーン月の一か月間は断食(インドネシア語でプアサ)を行うので、ラマダーン=断食というイメージがあるんですね。


では、この断食ですが、何のために行うんでしょうか?
昔、ムハマンドとその信者たちがメッカでのイスラム教布教を一旦あきらめ、アビシニアやヤスリブなどに移住したことをヘジュラ(ヒジュラ)というんですが、その当時の苦労を体験して、食のありがたみや神への信仰を再確認しようという事で行われるそうです。
ダイエットや健康維持、あるいは食糧費の節約などと言った事ではなく、あくまで宗教上の試練として行うそうです。


「え〜っ!イスラム教の人って、ラマダーンの一か月間も断食するの?死んじゃうんじゃない〜?」
なんて、私も最初思ったんですが、よくよく聞いてみると、断食するのは日の出から、日没まで。日没後や日の出前は飲食はOKで、その間に一日の食事を一気にとるので、ラマダーン中に太ってしまう方もいるそうです。


とはいえ、プアサ中は食べることはもちろん、水を飲むことや唾を飲み込むことまでも禁止されているので、本当に大変な事だと思います。日中、何も食べず、何も飲まずにお仕事をしているイスラム教の方を見ると、すごいな〜と思うのと同時に、私はイスラム教徒でなくてよかった〜、なんて思っちゃいます。


ちなみに、この断食ですが、妊婦、病人、老人、幼児などは免除されます。また旅行中の方も免除されるそうですが、旅行中で断食ができない(しなかった)人は、後日にをずらして断食をする事もあるそうです。


さてさて、この断食をおこなうラマダーン月ですが、イスラム教の暦ヒジュラ暦によって決められます。
ヒジュラ暦は、完全な太陰暦、つまり月の満ち欠けを基にした暦なのです。
日本の旧暦やバリ島のサカ暦も太陰暦なんですが、こちらは太陽太陰暦といって、閏月を入れることにより太陽暦との誤差を修正しますが、ヒジュラ暦は閏月による誤差修正はありません。
つまり、ヒジュラ暦の1年は355日。太陽暦(西暦)と10日〜11日の差があるので、ラマダーン月も毎年10日ずつ早くなっていきます。
そしておよそ33年でイスラム暦と太陽暦のずれが一周します。
よく「ムスリム(イスラム教徒)は一生の内同じ季節のラマダーンを2回経験する」って言われます。


そして、この記事の一番最初、ちょっと読み直してください。
”インドネシア宗教省から「今年のラマダーンは7月10日から」という発表がありました〜!”
って、おかしいと思いませんか?
ラマダーンとは、イスラム暦の月の名前で、月の満ち欠けを基にした暦ですから、計算すればいつからラマダーン月に入るかすぐにわかると思います。いちいち宗教省がいつからラマダーン月ですよなんて発表する必要なんてないとおもうんです。
が・・・
実はイスラム教では月の始まりはイスラムの長老が夜空の月を見て判断するという事になっているんです。
だから、曇りや雨などで月が出ていない場合は「わからないのでまた明日」となるそうなんですよ〜


さぁ、ラマダーンと断食(プアサ)について、一応ご理解いただけたと思いますが、ではラマダーン期間中のバリ島ってどうなの?ってお話をしたいと思います。


ご承知の通り、インドネシアは国民の70%以上がイスラム教の国(世界最多数のイスラム教徒を抱える国)ですが、バリ島は住民の90%がバリ・ヒンドゥー教です。ですので、バリ島内においては、ラマダーンの影響はほとんどないと言っていいでしょう。レストランやバー、クラブも普通に営業していますし、ビーチで冷たいビールも飲めます。


とはいえ、少数派ですがイスラム教徒もいますので、ちょっとした気配りをお願いします。
もし、身の回りにプアサをしているイスラム教徒の方がいたら、その方の前での飲み食いはちょっと遠慮していただけたらと思います。私たちにはプアサは関係ありませんが、お気遣いという事で宜しくお願いします。
もちろん、夜間などプアサをしていない時間帯はぜんぜん関係ないんですけどね。


あとは、ジャワ島やロンボク島などイスラム教徒が多い場所に行くときの注意です。
旅行客や異教徒にプアサを強要する事はありません。
しかし、周りにはプアサをしている方がたくさんいますので、日中は飲食がしにくい状況です。
例えば、レストランなどは営業はしていますが、電気を消して、外から中で食事をしているところが見えないようにしてあるそうです。もちろん、屋外での飲食はできません。外で水を飲んだり、パンを食べたりなんてできません。
ラマダーン中にイスラム教徒が多いエリアに行く場合は、夜間はいいんですが、日中は食事がしにくい雰囲気であることを充分承知してくださいね。


日本にいると、なかなか実感できないラマダーンとプアサですが、イスラム教の皆さんにとって大切な宗教行事(試練)ですので、宜しくご理解お願いしますね。