バリ島ロングステイの関門
定年退職後の第二の人生をバリ島で送りたい。
バリ島に移住したい。
と、バリ島でのロングステイを夢見ている方も多いかと思います。
しかし、バリ島に長期滞在するには、いくつかの関門があります。今回は、その関門のいくつかを考えていきたいと思います。
(1)住まい
旅行の時とは違い、ロングステイでは、なるべく宿泊費が安い所を探さなくてはいけません。
しかし、日本のように住宅情報誌はなく、不動産屋も高価なヴィラやヴィラ用の土地の販売が中心で、安い物件情報はインターネットや口コミが中心となります。
・コス
コスとは、インドネシア語でアパートという意味で、主に長屋形式の集合住宅になります。
コスと言っても、ローカル向けの安い物件から、外国人の高級なものまで、いろいろなレベルのものがあります。また、日本のような敷金、礼金を取るところはなく、一月からの契約が可能です。
ローカル向けのコスは、一月の家賃が数千円からと安いのですが、基本的に部屋には窓がなく風通しが悪かったり、壁が薄く、隣の声が筒抜けだったり、トイレ・お風呂が共同であったり、キッチンが付いていない所がほとんどです。また、ベットやタンスなど家具類はついていない所が多く、外国人が住むにはちょっと、厳しいものがあります。
最近、外国人向けや、ジャカルタなどから仕事でバリに来ているビジネスマン向けに、日本のアパート並の高級コスが増えてきました。
このような高級コスはセキュリティもしっかりしており、クーラーやベット、テレビなどの家具も最初からついていたりと、ホテルの部屋に近い感覚で使えるものもあります。また、シャワー、トイレ付がほとんどで、キッチンも本格的な物が付いているところもあります。高級コスは家賃も数万円と高額ですが、周囲の環境も良い所が多く、資金が許せばこのような高級コスがお勧めです。
・ホテル、ロスメン
ホテルやロスメン(安宿、バンガロー)を長期で借りるというのも良い方法です。
観光客に人気のある大型リゾートホテルなどの長期滞在は資金面でもちょっと大変ですが、中心部をちょっと外したり、それほど大型ではないホテルならば、一か月や二カ月と言ったミドルステイが可能です。
ホテルの良いところは、セキュリティーは万全ですし、家具などの心配はいらず、部屋の掃除やトラブル時の対応もすべてお任せできるということです。また、大半のホテルはレストラン併設なので、食事の心配もないでしょう。
・ヴィラ、貸家
バリ島内には外国人向けのヴィラや貸家がたくさんありますが、基本的に数か月以上の契約となります。
また、家賃も高額なので、半年から一年以上の長期滞在でなければ、ちょっと敷居が高いと思います。
ちなみに、インドネシアでは外国人は土地の購入はできません。「ヴィラを持っている」という外国人もいますが、インドネシア人が所有している土地を契約により借りて、そこにヴィラを建てているということです。
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(2)ビザ
インドネシアは、どんな理由であれインドネシア国内に入国する外国人にビザの取得を義務付けています。
旅行者が取得する一般的なビザは到着ビザ(VOA=Visa on Arrive・観光ビザともいう)で、到着した空港(バリ島の場合はデンパサール空港)や港で$25を支払うことにより簡単に取得でき、最長30日間の滞在ができます。また、1回に限り入国管理事務所で手続きを行えば30日間の滞在期間延長ができます。
(注)最近の事例でスパスクールに通うために観光ビザで滞在していた日本人が、観光ビザの延長を断られたということがありました。観光ビザはあくまで観光のためであり、スパスクールなど技術習得のための滞在では観光ビザは使えないという判断だったそうです。このように、目的によっては観光ビザでけでは滞在できないケースもありますので、ご注意ください。
観光目的の2か月以内のロングステイならば、到着ビザ(観光ビザ)で問題ありませんが、2か月以上の滞在、あるいは滞在目的によっては他のビザを取得する必要があります。
長期滞在できるビザとして労働ビザ、リタイアメントビザ、婚姻ビザなどがありますが、いずれも取得には条件があり、また取得手続きも煩雑なので、ソシアル・ブダヤビザの取得をお勧めします。
ソシアルブダヤビザは、文化交流や知人訪問、あるいは観光など非就労目的のために長期滞在用のビザで、取得することにより最長60日間の滞在が可能となります。また、60日を過ぎる場合は、入国管理事務所にて30日間の滞在延長申請が4回行うことができます。つまり、最初に与えられる60日と合わせて最長180日間の滞在が可能になります。
このソシアルブダヤビザの取得には、インドネシア人のスポンサー(身元保証人)が必要で、取得はインドネシア国外のインドネシア大使館で行います。
日本にもインドネシア大使館がありますので、日本であらかじめソシアルブダヤビザを取得してからバリ島に入国するという事もできますが、最近は日本での審査が厳しくなったことと、スポンサー探しが日本にいては難しいということから、いったんバリ島に観光ビザで入国した後、スポンサー探しや必要書類を準備し、一番近い外国・シンガポールで取得する方が多いです。
また、バリ島内には外国人のビザ取得などをサポートするビザエージェント(ビザ会社)が多くありますので、そのような会社に相談してビザを取る方法が一般的です。
(3)言葉
バリ島では、観光地であれば英語が通じますし、中には日本語もできる人もいます。しかし、ロングステイをする上で、どうしてもインドネシア語、あるいは最低でも英語でないとコミュニケーションがとれない場面が出てきます。
英語がストレスなく理解できるのであれば、それほど関門にはならないかもしれませんが、よりロングステイを楽しむには、やはりインドネシア語を覚えることが得策です。
インドネシア語の学習は、本格的にインドネシア語を勉強するのなら、ユダヤナ大学などの大学に留学するのが一番です。しかし日常生活に使う程度のインドネシア語を勉強するのなら、デンパサールに何校かある外国人向け語学教室に通うのがいいでしょう。3か月もあれば、生活に最低限必要なインドネシア語は学べると思います。
(4)食事
短期の旅行でしたら、毎日インドネシア料理でも構いません。
しかし、長期滞在となると、どうしても日本食が恋しくなります。
バリ島には和食レストランが何軒もあり、日本から空輸された食材や調味料で日本と変わらぬ味を楽しむことができます。
しかし、そのような和食レストランはどうしても高額になるため、頻繁にはいけないということでしたら、最近増えてきた地元の食材や調味料を使って和食に近い味を出す、ローカルの和食ワルンもいいかと思います。
自炊をして、と言う方ならクタにあるパパイヤスーパーマーケットに行けば、日本の食材や調味料が手に入りますし、ローカルのスーパーマーケットでも、日本の味に近い外国産調味料が売られています。自炊まで行かなくても、日本のインスタントフードやお菓子、パン、お弁当、お寿司など日本の味がそろっていますので、一度は足を運ばれてもいいでしょう。
バリ島は世界中から観光客が訪れる観光地なので、世界中の味を楽しむことができます。
和食やインドネシア料理だけでなく、イタリアンやフレンチなども試しながらロングステイを楽しんでください。
(5)病気・怪我
観光旅行の場合もそうですが、病気やけがへの対応も必要なことです。
ローカルの病院や診療所でも病気、怪我の対応はできますが、医療レベルや言葉の不安があり、やはり日本人通訳のいるインターナショナル・ホスピタルの方が安心できます。
バリ島では、クタエリアとヌサドゥアエリアに、日本語対応ができるインターナショナル・ホスピタルがあります。緊急時に備えて、場所や電話番号などを確認しておくといいですね。
そして忘れてはいけないのが保険です。
日本のように国民健康保険がないバリ島で、インターナショナル・ホスピタルにかかると、風邪程度の病気でも、数千円から一万円以上の治療費を請求されます。
また、バリ島内で対応しきれない病気、怪我の場合、シンガポールなどに緊急空輸して治療することもあり、そうなると治療費も数百万円から数千万円と超高額となります。
そこで必要なのが海外旅行保険です。
国民健康保険でも、加盟していれば7割の治療費負担はしてもらえますが、帰国後地元の健康保険組合に申請をして初めて医療費の還元があり、診察時は全額負担をしなくてはいけません。
それに比べ、海外旅行保険なら、キャッシュレスで診察をしてもらえますし、シンガポールや日本への空輸費用も負担してもらえる保険もあります。
ロングステイの場合、保険料は数万円となることもありますが、万一のために、海外旅行保険をかけてこられることをお勧めします。
簡単に、バリ島でのロングステイの関門をご紹介しましたが、これ以外にもいろいろな問題や準備しておかなくてはいけないことがあります。
また、Webサイトやこのブログで順々にご紹介していこうと思います。