ニュピのお楽しみ
バリ島のお正月ニュピ、今年は3月23日(金曜日)です。
当日は外国人観光客を含む、島内にいる人善人に対し、外出、灯火の使用、労働、殺生が禁じられます。
もちろん、スパやレストランもお休みになりますし、観光にも行けません。空港や港もトランジットや緊急以外の離発着が禁止になります。
テレビも、ラジオもお休みになり、まさしく静寂に包まれた一日になります。
ニュピってなに?と言う方はこちらをご覧ください。
>>バリ島のお正月ニュピ
「え〜、じゃあニュピの日にバリ島にいてもつまんな〜い!」
なんて、思ってはいませんか?
そんなことないんですよ!
ニュピの日には楽しい事がいっぱいあるんですよ〜
まず、ニュピの前々日、人々は自分の村の寺院にあるご神体を持って、海や湖、川に行きます。そこで、ご神体を清める儀式(ムラスティ)を行います。
そして、ニュピ前日、村中でングルプック(Ngerupuk)という行事が行われます。
ニュピ前日は、月が隠れるティルム(暗月)の日で、この日冥界のヤマ神が大掃除をするため地下の悪霊プト・カロが地上に這い出してきます。
そのため、村の辻や四つ角では、生贄を捧げ悪霊を払う清めの儀式(ムチャル)が行われます。
各家庭では、鍋や釜を叩いて大きな音を立てて、家の中に入り込んだプト・カロを追い出します。
各村では、恐ろしい鬼の姿をした張りぼて・オゴオゴ(Ogoh-ogoh)を作り、村を練り歩きます。家を追い出されたプト・カロがこのオゴオゴに乗り移り、最後にオゴオゴは焼かれてしまいます。
オゴオゴの人形は何週間も前から、村や自治体で作られ、当日の夕方から町を練り歩きます。
オゴオゴの行列に参加するには、正装をするなど決まりがありますが、行列を見物するには、何の制限もありません。毎年、オゴオゴを見るために、多くの観光客が集まってきます。
こうして、ニュピ前日はにぎやかにふけていくのです。
そして、ニュピ当日。
前日の喧騒が嘘のように静まり返った町。
聞こえるのは、風の音の音だけ。いつもうるさい鶏や犬たちもなぜか、この日は静かにしています。
静かに過ぎる一日を、部屋のテラスでのんびりと本を読んだり、お茶を飲んで過ごしてみましょう。お手紙を書いたりするのもいいですね。気持ちのいい場所でお昼寝なんかもしちゃいましょう。
日が傾きかけたら、早めにお風呂や夕食をすませましょう。必要最低限の明かりしか、付けられない夜は、何もできませんよ。
すっかり、日が暮れたら庭に出て夜空を眺めてみましょう。
ニュピの日は新月の日です。月明かりもなく、一面の星空が光ります。
星空を眺めながら寝てしまうのもいいですね。お昼寝をしていても、なぜか周りが暗くなると、寝れてしまうのです。
そして、日が昇ればニュピは終了。
また、日常の生活が戻ってきます。
一年に一日だけ、日常を離れ、静寂と暗闇の中に身を置くニュピ、一度味わってみませんか?