バリ島ウブド便り

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ニュピとオゴオゴ

2011年のニュピは3月5日です。今週末ですよ!


バリ好きの方なら、もうご存知ですね。ニュピ。
また、バリ好きさんたちのブログやHISなど旅行会社のホームページにも「3月5日はニュピですよ」って掲示されていますね。


でも、「ニュピってな〜に?」「ニュピって外に出れないって聞いたけど本当?」
という、疑問をお持ちの方、たくさんいると思います。
そこで、今回は今週土曜日にあるニュピについて、解説しちゃいますね。


ニュピとは、簡単に言うとバリ・ヒンドゥーのお正月です。バリ・ヒンドゥーのサカ暦という太陰暦を元にしたカレンダーに沿って、1年に1回行われる行事なのです。太陰暦を元にしたカレンダーなので、毎年3月頃に行われますが日は年によって変わります。


言い伝えによると・・・
ニュピの前日、暗月の日に冥界の大王ヤマ神が大掃除をするので、悪霊ブト・カロが地上に這い出してきます。そのため、街の中の十字路や辻では悪魔祓いの儀式(ムチャル)を執り行い、各家庭では鍋や釜を打ち鳴らし、大きな音を立ててブト・カロを家から追い出します。
そして、翌日のニュピの日は、「バリ島には誰もいませんよ」というように、音を立てず、生活の臭いをさせず、ひっそりと一日を過ごすのです。


そのため、ニュピ当日の夜明け(実際は午前5時頃)から、翌日の夜明け(午前6時)まで、バリ島内は一切外出禁止となり、生活の臭いのする家事(炊事、掃除、洗濯など)は一切行わず、また夜も明かりをつけないようにします。
これは、ヒンドゥー教徒だけではなく、バリ島に滞在するイスラム教など他の宗教の方も外国人も旅行者にも適応され、飛行機も緊急やトランジット以外は一切離着陸できません。
昨年からテレビの放送もラジオの放送も中止になりました。


こう書くと
「なんだ〜、ニュピの日は部屋の外にも出れないし、一日中停電で、ご飯も食べられないのか〜」なんて、思われますが、ちょっと違います。
ニュピにはニュピの楽しみがあるのです・・・


では、実際のニュピの日の過ごし方を紹介しましょう。


ニュピの前日(3月4日)には、街中の至る所で悪魔祓いの儀式(ムチャル)が行われています。観光客がこの儀式を見るのは、儀式の邪魔をしなければOKです。
各家庭では鍋釜を打ち鳴らし、ブト・カロを追い出します。


そして、夕方にあるとオゴオゴ(オゴ・ホゴ Ogoh ogoh)が始まります。
オゴオゴとは、大きな鬼の形をした人形が街中をパレードする行事です。各家庭を追い出されたブト・カロなどの悪霊はこの鬼の人形に集まるので、最後は燃やされてしまいます。



こちらは昨年(2010年)ジンバランエリアで行われたオゴオゴです。鬼の人形は各町内会やグループで作ります。



その人形をみんなで担ぎ、街中をパレードします。


もちろん、沢山の見物客が集まり、お祭り騒ぎとなるのです。


そして、夜が明けるといよいよニュピ当日(3月5日)です。
朝から街中は静まり返ります。バイクや車の音は一切ありません。外を歩いているのは地域の自衛団の人だけです。もちろん、バイクは使えませんので、歩きか自転車になります。
もし外に出ている人がいると、この自衛団の人がやってきて、家に戻されます。


原則的に、炊事もできないので、食事はパンやお菓子になります。ニュピの前はみんなパンやお菓子を買いだめするので、スーパーやコンビニから、パンが消えてしまうこともあるそうですよ。


そして、夜。
もちろん、明かりは点けられませんが、明かりが外にもれなければいいので、小さな電灯くらいは許されます。


ニュピの夜の楽しみといえば、満点の星空でしょう。
ニュピの日は暗月なので、月明かりもなく、綺麗な星空が望めます。
こうして、静寂の日ニュピは過ぎていくのです。


観光客のみなさんはどうやって過ごすのでしょうか?


ニュピの日の外出禁止、灯火の使用禁止は旅行者、観光客にも適応されます。
ただし、ホテル内は自由です。
ホテルから外には出られませんが、ホテル内のレストランやプール、スパなどは利用可能です。
また、明かりを外に漏らすことができないので、夜部屋の外は暗くなっていますが、室内はカーテンをしっかりすれば、電気の使用ができます。
制限は受けますが、ホテル内でのんびりするには、なんら問題がありません。


さて、ニュピの日ですがいかがですか?
「一日外出も、テレビも見られないから、つまらない」でしょうか?
でも、世界的に見ても珍しい、バリ島だけの静寂の日。
機会があれば、ぜひ体験してみてください。
電気がない生活、静かな生活も、たまにはいいものですよ。