バリ島ウブド便り

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すごいぞ!ココナッツの力

バリ島の風景っていうと、どんなことを思い浮かべますか?
青い空、明るい太陽、きれいな海、緑の山々、田んぼ・・・そしてバリ島で忘れてはいけないもの、それがココナッツ(椰子の木)ですね。
ヤシの木はバリ島の至る所で見ることができ、またバリ島の生活にはなくてはならないものと言われています。


ヤシの実は、若いうちは実の中にあるココナッツジュースを飲んだり、熟したらココナッツオイルやココナッツミルクがとれます。また、実の外皮は乾燥させて燃料になるんです。
葉っぱは、編んで籠や箱になりますし、毎日のお供え物(チャナン)にも使われます。
ヤシの花穂から採れる樹液はヤシ砂糖になり、この樹液を発酵させるとトゥアック・アラックと言ったアルコールになります。


このように、捨てるところがないと言われるココナッツ(椰子)ですが、最近ココナッツから採れるココナッツオイルが大変注目されるようになりました。


ココナッツオイルは、ヤシの種子(種)から採れるオイルです。
ヤシの種子は大変大きなもので、割ってみると中にココナッツジュースと呼ばれる液体が入っています。この液体は胚芽(新しい芽の基になる部分)の一部で液体胚芽と呼ばれています。また、割った種子の内側には白い層がありこれも胚芽の一部で固形胚芽と呼ばれています。
まだ未熟性の若いヤシの実の中にある液体胚芽はココナッツジュースとしてよく飲まれています。また、固形胚芽もゼリーのようにプルプルしていて、おいしくいただくことができます。


完全に熟したココナッツの種子の中の液体胚芽は飲用には適さないのですが、固形胚芽は白い塊となります。
生の固形胚芽を圧搾すると、黄金色した脂分が出てきますが、これがココナッツオイルです。
また、固形胚芽を砕いて乾燥させたものをコプラと呼び、このコプラを細かく削ってお菓子に使用したり、また食材としても多くの料理に使われています。
コプラを水に入れてもむと乳白色の液体が出てきます。これがココナッツミルクで、タイカレーをはじめ多くのエスニック料理に使われています。


ココナッツの固形胚芽より取られたココナッツオイルは、マッサージ用のオイルや料理の調味料、炒めものや揚げ物の揚げ油としても古くから熱帯地方を中心に使われてきました。そして、このココナッツオイルに、アンチエージングの効果があることが近年分かってきたのです。


「あれ?ココナッツオイルって飽和脂肪酸が多いから、あまり体に良くないんじゃないの?」


という疑問を持たれた方もあると思います。
確かに、ココナッツオイルは飽和脂肪酸が多いです。


脂肪酸と言うと、なんかすごい物質かと思われますが、脂肪や油を構成する物質で乱暴に言うと「脂肪酸=油・脂」と考えていただいても良いそうです。
さて、この脂肪酸ですが、いろいろな仲間があり、よく耳にするのが「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」だと思います。
飽和脂肪酸は豚の脂や牛の油と言った、動物の脂に多く含まれ、慨して融点が高いので常温ではラードのように固形化しています。
不飽和脂肪酸はオリーブオイルに多いオレイン酸や魚に多く含まれるEPAやDHAなどがそうで、融点が低いので常温では液体化しています。


ココナッツオイルは植物性オイルなんですが、動物の脂におおい飽和脂肪酸で、この飽和脂肪酸は動脈硬化など生活習慣病や心臓疾患の原因にもなると言われています。
そのため、以前は飽和脂肪酸のココナッツオイルは取り過ぎると体に良くないと言われていました。


しかし、最近の研究で、飽和脂肪酸には長鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸があり、このうち生活習慣病のリスクが高いのは長鎖脂肪酸であることが分かってきました。
対して中鎖脂肪酸は体内に取り込まれると即座に肝臓でケトン体という物質に変化し、このケトン体が体にいろいろ、いいことをしてくれるのです。


その前に、長鎖脂肪酸の名誉のために、ちょっと説明させていただきます。
長鎖脂肪酸は、中鎖脂肪酸と違い、体内に入ると血液の流れに乗り、筋肉に回り、肝臓に行って体を動かすエネルギー源となります。しかし、肝臓に到達するまでの時間が中鎖脂肪酸よりおそく、しかもエネルギーとして使われなかった長鎖脂肪酸は、脂肪細胞に蓄えられ、生活習慣病の原因となるのです。
つまり、長さ脂肪酸は取り過ぎると病気リスクを高めますが、適正に取っていれば体を動かすエネルギー源として必要な物質なのです。


さて、中鎖脂肪酸は肝臓でケトン体という物質に変わりますが、これは体のためにどんなことをしてくれるのでしょうか?
ケトン体も体を動かすエネルぎー源の一部ですが、ケトン体には強力な抗酸化作用があるのです。
抗酸化作用とは、酸化をさせにくくする働きのことです。


ここで、酸化について説明します。酸化とはすごく簡単にいってしまうと錆びるってことです。
体内に取り込まれた酸素のうち、数%は活性酸素というものになります。
この活性酸素は、体内に入った病原体や毒素を攻撃し体の健康を守る働きをしますが、活性酸素が多すぎて、攻撃する毒素がなくなると今度は暴走して健康な細胞を攻撃しだします。それにより一部細胞はガン細胞化したり、お肌のしみやしわの原因となります。
つかり、体の酸化(細胞の酸化)は、体が錆びる=老化と言うことなんです。


そして、ケトン体はこの暴走した活性酸素を封じ込める力があるのです!!!


さらに、最近の研究ではアルツハイマー病の症状緩和にも役立つことが分かってきました。
アルツハイマー病は脳の組織が委縮していく病気ですが、同時に脳のエネルギー源であるブドウ糖の供給が阻害されてしまいます。こうなると、脳はガス欠状態になって記憶力や判断力が低下、いわゆるボケになるのです。
しかし、ケトン体はアルツハイマー病になっても、脳内に届き、グリコーゲンの代わりに脳のエネルギーとなるのです。
ある研究組織の報告によると、ココナッツオイルを与えたアルツハイマー病の患者さんが4時間後記憶力、判断力とも向上したというレポートがありました。


このように、ココナッツオイルはアンチエージング(老化防止)そしてアルツハイマー病の症状緩和と言う効果が発見され、最近すごく注目されるようになったんです。


では、このココナッツオイルの使い方について2〜3紹介します。
ココナッツオイルの優れているところは、なんにでも使えるスーパーオイルなのです。
健康に良いとされる植物油の一つにオリーブオイルがありますが、このオリーブオイルは不飽和脂肪酸なので融点が低く加熱によって酸化してしまいます。そのため、ドレッシングと言った非加熱の調理にはいいのですが、炒め油や揚げ油には使えません。
しかし、ココナッツオイルは融点の高い飽和脂肪酸なので、そのままドレッシングなど非加熱調理にも使えますし、炒めものや揚げ油としても使えます。
また、コーヒーや紅茶などに直接入れて飲む方もいるそうです。動物油脂であるラードの代わりにも使えますね。


最後に、ココナッツオイルの注意点を。
バリ島では生活の中で多くのココナッツオイルを使います。スーパーに行けば1リッター200円くらいで売っていますが、そのような安いココナッツオイルは化学薬品で取りだしたり、質の悪いオイルが混ざっていることがあります。
ですので、一番のお勧めは「バージン・ココナッツオイル」つまり、一番搾りのココナッツオイルです。おもにオーガニックフードやナチュラルフードを扱っているお店にあります。ちょっと高いですが、お勧めです。
また、ココナッツオイルは凝固点(固まる温度)が25度です。バリ島では液体の状態でいるのですが、バリ島より気温の低い日本だと固まってラードのようになっています。変質しているわけではないので、そのまま使っても何ら問題はありませんが、オイル状にして使いたいのであれば、湯せんをするといいでしょう。


いくら健康に良いと言われていても、オイルには違いないので、あまり摂りすぎると逆に害となります。お茶やコーヒーなどに入れるのでしたら1回あたりティースプーン2/3〜1杯程度を目安いに取り過ぎないように注意してくださいね。