バリ島ウブド便り

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バリ島でワヤンさ〜ん、と叫んだら・・・

バリ島には、ワヤンと名乗る人がいっぱいいます。
空港に迎えに来たガイドさんがワヤンさん
ホテルの受け付けもワヤンさん
部屋に案内してくれたボーイ君もワヤンさん
レストランのウェイターもワヤンさん


なんて事、経験した方も多いんじゃないでしょうか?


でも、なんでバリ島にはワヤンさんが多いんでしょうか?
その秘密は、名前の付け方にあるのです。


バリ島で多い、名前の付け方は
I Wayan Saudana イ・ワヤン・サウダナ
と言った、付け方です。


最初の「I(イ)」と言うのは、男の子に付ける名前。
もし女の子でしたら「Ni(ニ)」となります。


次の「Wayan(ワヤン)」ですが、生まれてきた順番で決まる名前です。
その夫婦に生まれた、最初の子供には「Wayan(わやん)」か「Putu(ぷとぅ)」か「Gede(ぐで)」という名前が付けられます。
二番目の子供は「Kadek(かで)」か「Made(まで)」
三番目の子供は「Nyoman(にょまん)」か「Komang(こまん)」
四番目の子供は「Kutut(くとぅっ)」と言う名前が名づけられます。
なお、この名前に男女の別はなく、男でも、女でも最初に生まれたら「わやん」か「ぷとぅ」か「ぐで」になります。(「ぐで」は、主に男の子に付ける名前で、最初に生まれても女の子に「ぐで」は付けないそうです)
また、子供が5人以上いたら、どうなるかと言うと、また最初の「わやん」に戻って、名前を付けるのです。


最後の「Saudana(さうだな)」が、個人名になります。この個人名は神様の名前や、英雄の名前から取っている人が多いそうですが、私の知人は「クリントン」という名前です。
「クリントンって、なに?」って聞いたら「アメリカ大統領の名前から取った」と言われました。ってことは、そのうち「オバマ」って名前の子も出てくるかもしれませんね。


このような、名前の付け方は、ヒンドゥー教のカスト(身分階層)で、平民階層(スドラ階層)の付け方だそうです。他の階層になると、また違った名前の付け方になります。ですので、バリ島では、人の名前を聞けば、どの階層の人なのかわかります。
例えば、名前に「Ida Bagus(いだ ばぐす)」が付くと、僧侶階層(ブラフマ階層)の人と、分かるのです。


この平民階層は、バリ島の住民の90%に当たり、その中でも最初に生まれた子供には「わやん」を付ける人がほとんどですので、バリ島で「ワヤンさん」が沢山いると言う事になるのです。


ところで「あれ?名前の付け方は分かったけど、姓(ファミリーネーム)は?」と、思われた方もいると思いますが、実はバリ島だけでなく、インドネシアにはファミリーネームがないのです。


しかし、有名な方、王族、政治家などは、家族名を持っている事もあります。


例えば、「デビ夫人」。ご存知ですよね。
元日本人でインドネシアの元大統領、スカルノ氏の奥さんになられた方です。
彼女のインドネシア名は「Ratuna Sari Dewi Sukarno」
夫でもある「スカルノ氏(Sukarno)」の名前が入っています。ちなみにスカルノ氏は「Sukarno」だけでフルネームだそうです。


バリ島の名前に関する秘密がご理解いただけたと思いますが、ワヤンさんばかりだと、いろいろ大変だなぁ、と、思われるでしょう。
そうなんですよね、同じような名前ばかりだし、個人名は長かったり、難しかったりで・・・
そこで、バリ島の皆さんはニックネームを持っていて、普段はそのニックネームを使う事が多いです。
ニックネームも子供のころに付けられた「グンドゥール(坊主)」とか「ボチョール(おもらしくん)」という、情けないあだ名をずっと使っている人もいれば、自分でカッコいいニックネームを名乗っている人もいます。


こんな不思議なバリ島の名前ですが、こちらにもっと詳しく載っていますから、ご覧ください
>>バリ島の人名の不思議