バリ島ウブド便り

バリ島ウブド便り

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ニュピって、意外と・・・

3月5日、バリ島はニュピでした。
ニュピはバリ・ヒンドゥー教のお正月に当たる日で、冥界の大掃除で地上に這い出してきたブト・カロなどの悪霊に見つからないように

  • 外出すること
  • 明かりをつけること
  • 働くこと
  • 大きな音を出すこと

が一切禁じられ、一日家で瞑想にふける日とされています。


外出禁止などは、ヒンドゥー教徒だけでなく、バリ島に住む他の宗教の方や外国人、旅行者にも適応され空港はトランジットや緊急以外の離着陸はできません。
まさしく、バリ島中がしずか〜にしている一日なのです。


実はウブドで迎えるニュピは初めてなんです。
以前、旅行者としてクタでニュピを迎えたことがあるのですが、その時は窓には厚いカーテンが引かれ、日中外には地元の人が見回りに出ていました。
そして、絶対外出しないようホテルの方から言われていました。


南部エリアであれほど厳しかったので、宗教や文化がしっかり継承されているウブドでは、もっと厳しいのではないか?と、ちょっとビビりながら、下宿で迎えた初めてのウブドのニュピ・・・・


たしかに、外出している人はいませんでした。
でも、朝から家のバレでは敷地内に住んでいる親戚が集まってペチャクチャ・ペチャクチャおしゃべりをしています。
あれ?・・・瞑想するんじゃないの???
お昼になれば、ご飯も出てきます?断食しないの??
そして、二階から外を見ると、普通に出歩いている人が???
さらに、夜になったら、結構光が漏れている家もありました???


え〜〜〜????いいのぉ???


ニュークニンというウブドの南部の村では午後からみんな外に出て遊んでいたそうです・・・???


下宿の大家さんに聞いてわかったんですが、昔のニュピは今のように外出禁止ってことはなかったそうです。
「家で静かにしていましょう」ということはあったそうですが、今のように外出禁止になったのは15年くらい前からだそうです。
なぜ、外出禁止になったかというと、バリ島に観光に来たり、滞在する外国人が増えてきて、その外国人がニュピの日に、観光したり、外を出歩いて騒いでいたため、外出禁止としたそうです。
そのため、外国人観光客が多い南部エリアは、規制が厳しく、あまり外国人がいないウブドや田舎の方は規制がゆるいそうです。


ニュピの日は、一日ゆっくりとできる日です。
毎日仕事や家事に追われている生活とは、また違った一日が楽しめ、体と心がリセットされた気持ちになります。
悪霊に見つからないようにするために始められたニュピですが、どんな理由でも1年のうち1日、なにもしない日があってもいいと思います。



また、ニュピの日はエコにも大変いいのです。
ニュピの日一日で、バリ島全体で80億ルピアの電力が節約できたそうです。日本円にしておよそ8000万円です。
また、2万トンのCO2削減ができたそうです。2万トンのCO2は、東京ドーム3344個分の広さの森が1年間に吸収するCO2と同じ量だそうです。


このバリ島のニュピは、世界的にも広がりつつあります。
3月21日世界サイレントデーという、3月21日に4時間だけ電気をすべて消して過ごしましょうという活動があります。


また、日本では冬至・夏至の日に2時間だけ電気を消してろうそくだけで過ごすキャンドルナイトという取り組みもされています。


バリ島のニュピのように24時間ということは難しいかもしれませんが、ほんの数時間、世界中で電気を消すことにより多くのエネルギーがセーブされ、多くのCO2が減少します。
ぜひ、この取組が世界中に広がってほしいと、思います。