ウバー、グラブタクシー、ゴージェックってなに?
先日、バリ島デンパサールで地元のトランスポート業者(主にタクシー運転手)による、「ウバー、グラブタクシー、ゴージェックへの反対デモ」が行われました。
さて、皆さんはウバー(Ubar)、グラブタクシー(Grab Taxi)、ゴージェック(Go-Jek)とは、いったい何なのか、ご存知ですか?ネットに詳しい方や、旅行好きな方なら一度は目にしたことがあるかもしれませんが、まだ日本ではあまりなじみがないシステムかもしれません。
今回は、このウバー、グラブタクシー、ゴージェックとはどのようなものか、またバリ島での状況についてご案内します。
<目次>
ウバー、グラブタクシー、ゴージェックとは
Ubar,Grab Taxi,Go-Jekとは、一言で言うとタクシーなどの配車アプリです。
スマホに専用のアプリをダウンロードして、タクシーなどを簡単に呼び出せるシステムで、現在前世界中にすごい勢いで拡大しています。
このシステムは、一般的なメータータクシーを配車するだけではなく、一般の人が空いた時間に自分の車を使って他人を運ぶシステムも含まれています。そのため、いわゆる白タクを容認するシステムなので、一部の国、地域で問題となっています。
日本の場合、すでに電話やWebでメータータクシーを呼ぶシステムが確立されている事と、前述の白タク問題がありなかなか浸透していないようです。
しかし、外国、特にインドネシア、タイ、マレーシアなど東南アジアでは、メータータクシーの呼び出しシステムが確立していなかったことと、タクシードライバーによる料金の不正取得(いわゆるぼったくり)が多く、それら問題を解決するこの配車システムは一気に受け入れられ、拡大していったそうです。
では、続いて、各々のシステムについてご案内します。
ウーバー(Uber)
ウーバーは、2009年にアメリカで始まった配車アプリサービスで、現在世界70カ国450都市で展開されています。
日本では2014年から東京都内で一般タクシーの配車システムとしてウーバーの利用が始まりました。また、2015年には福岡で自家用車による配車システム(みんなのUbar)がテスト利用されましたが白タク行為に当たるとして運輸省から中止勧告が出され、現在は一般タクシー配車システムとしてのみ利用されているそうです。
また、トヨタ自動車がこのウーバーと業務提携を組む覚書書を締結したと、ニュースで報じられました。
グラブタクシー(Grab Taxi)
グラブタクシーはマレーシアの実業家が、マレーシアでのタクシー配車問題を解決すべく、スタートさせたシステムで、マレーシアを中心にタイ、インドネシア、フィリピン、シンガポールなど東南アジア各国に広がっています。
こちらのグラブタクシーには日本のソフトバンクが2億5000万米ドルの資本提供をしたということです。
ゴージェック(Go-Jek)
ゴージェックはインドネシアのみ展開しているバイクタクシーの配車アプリシステムです。もともと、インドネシアにはオジェック(Ojek)というバイクタクシーがありましたが、使いにくさや安全性などの問題により年々利用者は減っていました。
そこで、ジャカルタの技術者がネットによるバイクタクシー配車システムを考え、Go-Jek(GoとOjekを合わせた造語)と命名してスタートしたところ、瞬く間にジャカルタや主要都市に広がっていったということです。
最近では、バイクタクシーだけではなく、デリバリーサービスや荷物の運搬サービス、さらに家のお掃除サービスなど各種サービスを展開しています。
配車アプリの使い方
アプリごとに操作方法などに違いはありますが、大まかに以下のような手順で利用します。
・アプリをスマホなどにダウンロードする
・アプリを立ち上げ、ユーザー登録をする
・配車依頼をすると、スマホの位置情報から近くにいる車両をピックアップし、運転者の顔写真や氏名、これまでの評価を表示する
・目的地を入力すると、おおよその運賃を表示する
・運賃と運転者を了解したら配車確定する(アプリによっては、確認の電話が掛かってくることがります)
・迎えにきた車両に乗り込み目的地へ
・目的地に着いたら、運賃を支払う(クレジットカード支払いも可能)
・最後に利用したドライバーを評価する。
あらかじめ、おおよその運賃がわかることと、ドライバーの評価ができることが、このアプリが受けている大きな理由だと思います。
バリ島での状況
バリ島では、クタ、スミニャック、サヌールといった南部ビーチエリアを中心にウバーやグラブタクシーが、デンパサールなどのローカルエリアを中心にゴージェックが展開されています。
ウブドエリアにも展開しているのですが、まだ登録車両台数が少ないため、夕方から夜間にかけてはほとんどつかまらないのが実情です。
ウバー、グラブタクシーは、配車してから迎えに来るまでの時間がわかりやすい事、料金があらかじめわかること、そして何よりメータータクシーより安い(およそ2/3から1/2の料金)ということで、特に白人観光客や在住者中心に利用が増えています。
そして、記事の冒頭にも書きましたが、この配車システムは地元の既存トランスポート業界(主にタクシー会社)との摩擦が発生しております。
ウブドやサヌール、スミニャックなどで上の写真のような看板を見かけられた方もいらっしゃると思います。「ウバー、ゴージェックは立ち入り禁止」と書かれています。
このように、バリ島内でもウバー、グラブタクシー、ゴージェックを使うことはできますが、地元業界との摩擦があることをご承知おきください。
また、ウバー、ゴージェックは現在空港内に配車することはできません。空港敷地外に出たところに配車することになります。